📒 ミライのITパス日誌

第8話「鍵はどっちの?」

テクノロジ系 / セキュリティ ── テーマ:共通鍵・公開鍵暗号・デジタル署名・多要素認証

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この話で覚える用語(7語)

共通鍵暗号方式きょうつうかぎあんごうほうしき
暗号化と復号に同じ鍵を使う方式。処理が速い。鍵を相手に安全に渡す方法が課題で、通信相手ごとに別の鍵が必要になる。
公開鍵暗号方式こうかいかぎあんごうほうしき
公開鍵と秘密鍵のペアを使う方式。送る人は「受け取る人の公開鍵」で暗号化し、受け取る人は自分の秘密鍵で復号する。秘密鍵は本人だけが持つ。処理は共通鍵より遅い。
ハイブリッド暗号方式はいぶりっどあんごうほうしき
共通鍵暗号と公開鍵暗号を組み合わせる方式。データは処理の速い共通鍵で暗号化し、その共通鍵を受け取る人の公開鍵で暗号化して渡す。
デジタル署名でじたるしょめい
送る人が自分の秘密鍵で署名し、受け取る人が送る人の公開鍵で検証するしくみ。本人が送ったこと(なりすまし防止)と、途中で改ざんされていないことを確かめられる。
認証局(CA)にんしょうきょく
公開鍵が本人のものであることを証明する電子証明書を発行する、信頼できる第三者機関。認証局と電子証明書で公開鍵を安全に使うしくみをPKI(公開鍵基盤)という。
多要素認証たようそにんしょう
知識(パスワードなど)・所持(スマホ、ICカードなど)・生体(指紋、顔など)のうち、異なる種類の2つ以上を組み合わせる認証。同じ種類を2つ重ねても多要素認証ではない。
シングルサインオンしんぐるさいんおん
1回の認証(ログイン)で、許可された複数のシステムやサービスを利用できるしくみ。SSO。便利な反面、IDが盗まれると被害が広がるので多要素認証と組み合わせる。

試験に出るポイント

覚え方:鍵は誰のもの?
ここ試験に出る!

確認クイズ(ITパスポート試験の形式)

問1 AさんがBさんに、公開鍵暗号方式で暗号化したデータを送る。暗号化と復号に使う鍵の組合せとして、適切なものはどれか。
  1. Aさんの公開鍵で暗号化し、Aさんの秘密鍵で復号する
  2. Bさんの公開鍵で暗号化し、Bさんの秘密鍵で復号する
  3. Aさんの秘密鍵で暗号化し、Aさんの公開鍵で復号する
  4. Bさんの秘密鍵で暗号化し、Bさんの公開鍵で復号する
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正解:イ Bさんの公開鍵で暗号化し、Bさんの秘密鍵で復号する
受け取る人(Bさん)の公開鍵で暗号化すれば、開けられるのはBさんの秘密鍵だけです。送る人の秘密鍵を使うのはデジタル署名です。

問2 デジタル署名に関する記述として、適切なものはどれか。
  1. 送信者の秘密鍵で署名し、受信者は送信者の公開鍵で検証する
  2. 送信者の公開鍵で署名し、受信者は自分の秘密鍵で検証する
  3. 受信者の公開鍵で署名し、受信者は自分の秘密鍵で検証する
  4. 署名すると通信内容が暗号化され、第三者に読まれなくなる
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正解:ア 送信者の秘密鍵で署名し、受信者は送信者の公開鍵で検証する
署名は送信者の秘密鍵で行い、送信者の公開鍵で検証します。本人確認と改ざん検知ができますが、署名だけでは中身は隠れません。

問3 多要素認証に該当するものはどれか。
  1. パスワードを入力した後、秘密の質問に答える
  2. パスワードを入力した後、スマートフォンに届いたワンタイムパスワードを入力する
  3. 長く複雑なパスワードを2回続けて入力する
  4. 1回のログインで複数のシステムを利用できるようにする
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正解:イ パスワードを入力した後、スマートフォンに届いたワンタイムパスワードを入力する
パスワード(知識)とスマホ(所持)は種類が違うので多要素認証です。パスワードと秘密の質問はどちらも知識。1回のログインで複数を使えるのはシングルサインオンです。

▶ アプリでクイズに挑戦(間違えた問題は復習に残ります)

マンガのセリフ(文字版)

ミライ「顧客リストはパスワード付きZIPで送って…パスワードは次のメールで、っと♪」

ツカサ先輩「待った!同じ道で鍵まで送ったら、盗み見た人は両方手に入るぞ!」

ツカサ先輩「暗号化する鍵と、元に戻す(復号する)鍵が同じ。これが共通鍵暗号方式だ」

ミライ「家の鍵と同じですね。閉めるのも開けるのも1本!」

ツカサ先輩「処理は速い。でも鍵を相手に安全に渡す方法が悩みなんだ」

ツカサ先輩「そこで公開鍵暗号方式。ペアになった2本の鍵を使う」

ツカサ先輩「公開鍵は誰に配ってもいい。秘密鍵は自分だけが持つ」

ミライ「鍵を配る!?家の合鍵をご近所にばらまくみたいで怖い!」

ツカサ先輩「配るのは開いた南京錠だ!閉められても、開けることはできない!」

🔓公開鍵=開いた南京錠受け取る人が配っておく誰に渡しても困らない🔒送る人が閉める(暗号化)受け取る人の公開鍵でカチッ閉めた本人でも開けられない🔑秘密鍵で開ける(復号)開けられるのは秘密鍵を持つ受け取る人だけ
公開鍵暗号=南京錠のたとえ 「受け取る人の」公開鍵で暗号化するのがポイント

ミライ「ヤマダさんに送るなら、ヤマダさんの公開鍵で閉めればいいんだ!」

ツカサ先輩「正解。開けられるのはヤマダさんの秘密鍵だけだ」

ツカサ先輩「ただ公開鍵暗号は処理が遅い。だから2つを組み合わせる。ハイブリッド暗号方式だ」

ツカサ先輩「データは速い共通鍵で暗号化し、その共通鍵だけを公開鍵で暗号化して渡す」

部長「本人の証明?わしのハンコをスキャンして貼ればいいんだな!」

ツカサ先輩「画像のハンコは誰でもコピーできます!」

ツカサ先輩「デジタル署名を使います。送る人が自分の秘密鍵で署名するんです」

目的先に使う鍵あとで使う鍵暗号化中身を隠す受け取る人の公開鍵(暗号化)受け取る人の秘密鍵(復号)デジタル署名本人の証明送る人の秘密鍵(署名)送る人の公開鍵(検証)
鍵の使い方は「暗号化」と「署名」で逆 署名は中身を隠さない。本人確認と改ざん検知のため

ミライ「でも、その公開鍵が本当にヤマダさんのものか、どうやってわかるんですか?」

ツカサ先輩「信頼できる第三者の認証局(CA)が、電子証明書で保証するんだ」

ツカサ先輩「役所が出す印鑑証明みたいなものだな」

📝 メモ:覚え方:鍵は誰のもの?
  • 公開鍵は配っても「後悔」しない鍵。秘密鍵は見せたら一巻の終わり
  • 暗号化=「あなた専用の南京錠」で閉める → 受け取る人の公開鍵/秘密鍵
  • 署名=「自分のハンコ」を押す → 送る人の秘密鍵。確かめるのは送る人の公開鍵
  • 合言葉「暗号化は相手の鍵、署名は自分の鍵」
  • 署名でわかるのは本人が送ったことと改ざんされていないこと
  • 認証局と電子証明書で公開鍵を守るしくみ=PKI(公開鍵基盤)

次はログインの話――

ミライ「ログインのたびにスマホに届く6桁の数字って、何ですか?」

ツカサ先輩「ワンタイムパスワード。1回使ったら終わりの、使い捨てのパスワードだ」

ツカサ先輩「いつものパスワードと組み合わせると多要素認証になる」

🧠知識(知っているもの)パスワード・暗証番号秘密の質問📱所持(持っているもの)スマホ・ICカードワンタイムパスワードの機器🖐️生体(体の特徴)指紋・顔・静脈
認証の3要素 種類のちがう2つ以上を組み合わせる=多要素認証

ミライ「パスワードと秘密の質問なら、2つだから多要素ですね!」

ツカサ先輩「ちがう!どちらも「知っているもの」。同じ種類だから多要素ではない!」

ツカサ先輩「最後にシングルサインオン。1回のログインで、複数のシステムが使えるしくみだ」

ミライ「便利!でも、そのIDを盗まれたら全部入られちゃう…」

ツカサ先輩「だから多要素認証と組み合わせる。わかってきたな」

📌 ここ試験に出る!:ここ試験に出る!
  • 共通鍵暗号=同じ鍵で暗号化・復号。速いが鍵の受け渡しが課題
  • 公開鍵暗号=受け取る人の公開鍵で暗号化し、受け取る人の秘密鍵で復号
  • デジタル署名=送る人の秘密鍵で署名し、送る人の公開鍵で検証
  • 電子証明書を発行して公開鍵の持ち主を保証する → 認証局(CA)
  • 知識・所持・生体の異なる2つ以上=多要素認証(パスワード+秘密の質問は×)
  • 1回の認証で複数のシステムを使える → シングルサインオン

翌朝

部長「わしの秘密鍵を全社員にメールしておいたぞ!みんなで使え!」

ミライ「部長、それいちばん配っちゃダメなやつです!」

ツカサ先輩「配っていいのは公開鍵だけです…作り直しましょう」

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