第40話「AIで新事業だ!」
ストラテジ系 / 技術戦略・ビジネスインダストリ ── テーマ:MOT・死の谷・キャズム・イノベーションのジレンマ・PoC
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- MOT(技術経営)えむおーてぃー
- 技術を持つ企業が、研究開発の成果を製品やサービスにして、会社の利益(経済的な価値)に結びつけるための経営の考え方。技術と経営の両方を見る。
- オープンイノベーションおーぷんいのべーしょん
- 研究開発を自社の中だけで完結させず、大学・他社・スタートアップなど外部の技術やアイデアを組み合わせて、新しい価値を生み出すこと。
- 死の谷しのたに
- 開発した技術や製品を事業にする段階で、資金や人材が足りずに先へ進めなくなる障壁。研究→開発の壁は魔の川、事業化→産業化の壁はダーウィンの海という。
- キャズムきゃずむ
- 新しい製品が、新しもの好きの初期採用者(アーリーアダプター)には売れても、慎重な多数派(アーリーマジョリティ)に広がる前にある深い溝。越えないと普及しない。
- イノベーションのジレンマいのべーしょんのじれんま
- 業界で成功している大企業が、今の顧客が求める改良に力を注ぐあまり、最初は小さく性能も低い新しい技術を軽く見て、新しく出てきた企業に市場を奪われること。
- デザイン思考でざいんしこう
- 使う人の立場に立って本当の困りごとを見つけ、アイデアを出し、試作とテストを素早くくり返して解決策を作る考え方。共感→問題定義→発想→試作→テストの流れ。
- PoC(概念実証)ぴーおーしー
- 新しいアイデアや技術が本当に実現できるかを、本格的に開発・導入する前に小さな規模で試して確かめること。効果や価値を確かめるPoV(価値実証)と区別する。
試験に出るポイント
- 水は川→谷→海の順に流れる。研究(山の上)から市場(海)へ
- 魔の川=研究→開発。そもそも使える技術になるか
- 死の谷=開発→事業化。資金と人材が尽きて死にそう
- ダーウィンの海=事業化→産業化。ライバルとの生き残り競争(進化論のダーウィン)
- 技術を事業の利益につなげる経営=MOT(技術経営)
- 魔の川(研究→開発)/死の谷(開発→事業化)/ダーウィンの海(事業化→産業化)
- キャズム=初期採用者と多数派(アーリーマジョリティ)の間の深い溝
- イノベーションのジレンマ=成功した大企業が今の客を重視して新技術に負ける
- PoC=実現できるかの検証/PoV=価値・効果の検証
- デザイン思考=利用者への共感から/リーンスタートアップ=作る→測る→学ぶ
確認クイズ(ITパスポート試験の形式)
- 死の谷
- 魔の川
- ダーウィンの海
- キャズム
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正解:ア 死の谷
開発→事業化の壁が死の谷です。研究→開発の壁は魔の川、事業化→産業化で競争に勝ち残る壁はダーウィンの海。キャズムは新製品が多数派に普及する前の溝です。
- 優良な大企業が、今の顧客向けの改良を重視して新技術への対応が遅れ、地位を失う
- 新製品が初期採用者には受け入れられても、多数派に広がる前に大きな溝がある
- 自社だけでなく、大学や他社の技術やアイデアを組み合わせて新しい価値を生む
- 技術開発の成果を事業の利益に結びつけるために、技術と経営を一体で考える
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正解:ア 優良な大企業が、今の顧客向けの改良を重視して新技術への対応が遅れ、地位を失う
成功した企業が既存顧客を大事にするあまり新技術に負けるのがイノベーションのジレンマ。多数派の前の溝はキャズム、外部と組むのはオープンイノベーション、技術と経営を結ぶのはMOTです。
- 新しいアイデアや技術が実現できるかを、本格導入の前に小さな規模で試して確かめる
- 最小限の製品を素早く作り、利用者の反応を測って学び、改良をくり返す
- 短期間に集中してチームでアイデアを形にし、成果を競い合うイベント
- 典型的な利用者像を具体的に1人決めて、その人の立場で製品を考える
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正解:ア 新しいアイデアや技術が実現できるかを、本格導入の前に小さな規模で試して確かめる
PoCは「実現できるか」の検証です。作る→測る→学ぶを回すのはリーンスタートアップ、短期集中のイベントはハッカソン、典型的な利用者像を作るのはペルソナ法です。
マンガのセリフ(文字版)
月曜の朝。部長が飛びこんできた
部長「AIで新事業だ!来月には売上100億円をめざせい!」
ミライ「ら、来月!?」
ツカサ先輩「技術を事業の利益につなげる経営をMOT(技術経営)という」
ツカサ先輩「すごい技術でも、売れる商品になるまでに3つの壁があるんだ」
ミライ「か、壁…?」
ミライ「魔の川、死の谷、ダーウィンの海…冒険マンガの地図ですか!?行きたい!」
ツカサ先輩「冒険じゃない!」
ツカサ先輩「一番つらいのが死の谷。製品はできたのにお金と人が尽きて事業にできないんだ」
- 水は川→谷→海の順に流れる。研究(山の上)から市場(海)へ
- 魔の川=研究→開発。そもそも使える技術になるか
- 死の谷=開発→事業化。資金と人材が尽きて死にそう
- ダーウィンの海=事業化→産業化。ライバルとの生き残り競争(進化論のダーウィン)
部長「うちの会社だけで、AIの技術は足りるのか?」
ツカサ先輩「大学や他社の力も借りればいいんです。オープンイノベーションですね」
部長「よし、いきなり工場を建てて100万台つくるぞ!」
ツカサ先輩「その前にPoC(概念実証)です。小さく試して、本当に実現できるか確かめます」
ツカサ先輩「「できるか」を確かめるのがPoC。「役に立つか」を確かめるのがPoV(価値実証)だ」
ミライ「「できる」と「役に立つ」は別なんですね」
ツカサ先輩「何を作るかは、使う人の気持ちから考える。デザイン思考だ」
ツカサ先輩「架空の利用者を1人決めて考えるペルソナ法も使うぞ」
ミライ「「30歳・節約好きのサトウさん」みたいな?」
ツカサ先輩「新商品は、まず新しもの好きが買う。でも多数派に広がる前に深い溝がある」
ツカサ先輩「その溝がキャズムだ」
ミライ「キャズム♪キャズム♪…新しいダンスですね!」
部長「わしも踊るぞ!キャズム♪」
ツカサ先輩「踊らない!」
ツカサ先輩「キャズムは溝。ここを越えないと、ヒット商品にならないんだ」
部長「うちの家計簿アプリは大人気だ。小さな新技術など無視でいい!」
ツカサ先輩「それがイノベーションのジレンマ。大企業ほど今の客を大事にしすぎて、新技術に負けます」
- 技術を事業の利益につなげる経営=MOT(技術経営)
- 魔の川(研究→開発)/死の谷(開発→事業化)/ダーウィンの海(事業化→産業化)
- キャズム=初期採用者と多数派(アーリーマジョリティ)の間の深い溝
- イノベーションのジレンマ=成功した大企業が今の客を重視して新技術に負ける
- PoC=実現できるかの検証/PoV=価値・効果の検証
- デザイン思考=利用者への共感から/リーンスタートアップ=作る→測る→学ぶ
翌月
部長「PoC完了だ!「わしならできる」という概念を実証した!」
ツカサ先輩「…それは実証じゃなくて、ただの気合いです」
ミライ「PoCは技術が実現できるかを小さく試すことですよ!」