第20話「ヤマダさんに指示しちゃダメ?」
ストラテジ系 / 法務 ── テーマ:労働者派遣・請負・準委任・36協定・取適法・PL法
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- 労働者派遣ろうどうしゃはけん
- 派遣元(派遣会社)が雇っている労働者を、派遣先の会社で働かせるしくみ。雇用契約は派遣元と結び、仕事の指揮命令は派遣先が行う。派遣された人をさらに別の会社へ派遣する二重派遣は禁止。
- 請負うけおい
- 請負会社が仕事の完成を約束し、発注者が完成したものに対して代金を支払う契約。作業者に指揮命令をするのは請負会社で、発注者は作業者に直接指示しない。
- 準委任じゅんいにん
- 法律行為ではない事務作業(システムの運用や調査など)を任せる契約。受けた側は作業をきちんと行う責任を負うが、請負と違って仕事の完成までは約束しない。
- 偽装請負ぎそううけおい
- 形は請負契約なのに、実際には発注者が作業者に直接指揮命令をしている状態。実態は労働者派遣なのに派遣のルールを守っていないことになり、違法となる。
- 36協定さぶろくきょうてい
- 労働基準法の決まりで、法定労働時間を超える残業や休日に働かせるために、会社と労働者の代表が結び、労働基準監督署に届け出る協定。労働基準法第36条にもとづくのでこう呼ぶ。
- 中小受託取引適正化法ちゅうしょうじゅたくとりひきてきせいかほう
- 略して取適法。発注側が中小の受託側に不利な取引を押しつけないよう、代金の支払遅延・減額・不当な返品などを禁じる法律。2026年1月に「下請法」から改正・改称された。
- PL法ぴーえるほう
- 製造物責任法。製造物の欠陥で人の生命・身体・財産に損害が出たとき、製造業者などは過失がなくても賠償責任を負うと定めた法律。ソフトウェア単体は製造物に当たらない。
試験に出るポイント
- 派遣=「お給料は元から、命令は先から」
- 請負=「ウケオイはウチ(請負会社)の中で指示」
- たとえ:派遣=助っ人をレンタルして自分で采配
- たとえ:請負=出前を頼む(お店の厨房に口出し禁止)
- 準委任=家庭教師。しっかり教えるが、合格(完成)までは約束しない
- 二重派遣は又貸し禁止。借りた傘をさらに人に貸さない
- 派遣=雇用契約は派遣元、指揮命令は派遣先
- 請負=仕事の完成を約束。指揮命令は請負会社
- 発注者が請負の作業者に直接指示 → 偽装請負
- 準委任=作業を行う約束。完成の義務はない
- 残業には36協定/支払遅延・減額の禁止は中小受託取引適正化法(取適法・旧下請法)
- PL法=欠陥のある製造物の責任。ソフトウェア単体は対象外
確認クイズ(ITパスポート試験の形式)
- 労働者は派遣元と雇用契約を結び、派遣先の指揮命令を受けて働く
- 労働者は派遣先と雇用契約を結び、派遣元の指揮命令を受けて働く
- 派遣先は、受け入れた労働者をさらに別の会社へ派遣できる
- 派遣先は、労働者の仕事の完成について責任を負わせる契約を結ぶ
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正解:ア 労働者は派遣元と雇用契約を結び、派遣先の指揮命令を受けて働く
雇うのは派遣元、指示するのは派遣先です。別の会社へ派遣し直す二重派遣は禁止。仕事の完成を約束するのは請負契約です。
- 発注者の社員が、請負会社の作業者に直接作業の指示を出す
- 請負会社の責任者が、自社の作業者に作業の指示を出す
- 発注者が、完成した成果物を検収して代金を支払う
- 発注者と請負会社が、秘密保持契約を結ぶ
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正解:ア 発注者の社員が、請負会社の作業者に直接作業の指示を出す
請負では作業者への指示は請負会社が行います。発注者が直接指示すると、実態は派遣なのに派遣のルールを守っていない偽装請負になります。
- 製造物責任法(PL法)
- 中小受託取引適正化法
- 労働基準法
- 不正競争防止法
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正解:ア 製造物責任法(PL法)
PL法は欠陥のある製造物による損害の責任を定めます。中小受託取引適正化法(旧下請法)は代金の支払遅延や減額の禁止、労働基準法は労働時間などの働き方のルールです。
マンガのセリフ(文字版)
新アプリの開発に、協力会社のヤマダさんが来た
ミライ「ヤマダさん、この画面の色、今日中に変えてください!」
ヤマダさん「え、ええと…それは…」
ツカサ先輩「ストップ!ヤマダさんに直接指示しちゃダメだ!」
ミライ「同じ部屋で一緒に働いてるのに…?」
ツカサ先輩「ヤマダさんの会社とは請負の契約だ。仕事の完成を約束してもらっている」
ツカサ先輩「請負では、作業者に指示を出すのは請負会社の側。うちが直接指示すると偽装請負だ」
ミライ「ぎ、偽装…!?まさかヤマダさん、変装した別人!?」
ヤマダさん「本物のヤマダです!」
ツカサ先輩「偽装なのは契約のほう。形は請負なのに、中身が派遣のようになっている状態だ」
ミライ「じゃあ、派遣の人には指示していいんですか?」
ツカサ先輩「そう。労働者派遣なら、指示を出すのは派遣先、つまりうちだ」
- 派遣=「お給料は元から、命令は先から」
- 請負=「ウケオイはウチ(請負会社)の中で指示」
- たとえ:派遣=助っ人をレンタルして自分で采配
- たとえ:請負=出前を頼む(お店の厨房に口出し禁止)
- 準委任=家庭教師。しっかり教えるが、合格(完成)までは約束しない
- 二重派遣は又貸し禁止。借りた傘をさらに人に貸さない
ヤマダさん「ちなみに、システムの運用は準委任の契約で受けることも多いですよ」
ミライ「じゅんいにん…?請負とどう違うんですか?」
その週、ミライは残業続き
ミライ「今週、毎日夜10時まで残業です…」
部長「心配いらん!うちは36協定を結んである!」
ミライ「さぶろく…36連勤までOKって意味ですか!?」
ツカサ先輩「ちがう!労働基準法の第36条にもとづく協定だから36だ!」
ツカサ先輩「労働時間は原則1日8時間・週40時間。超えて働かせるには36協定が要る」
ツカサ先輩「結んでも残業の上限は原則月45時間・年360時間だ」
部長「協力会社への支払いは来年でいいかね。ついでに、あとからちょっとまけてもらおう!ガハハ」
ツカサ先輩「部長、それは中小受託取引適正化法違反になりえます!」
ツカサ先輩「代金の支払遅延も、あとからの減額も禁止されています」
ミライ「アプリのバグで損害が出たら、PL法で責任を問われますか?」
ツカサ先輩「PL法の対象は形のある製造物。ソフトウェア単体は対象外だ」
ヤマダさん「開発の秘密は守ります。最初にNDA(秘密保持契約)を結びましたから」
ミライ「色の変更は、ヤマダさんの会社の責任者さんに相談しますね!」
- 派遣=雇用契約は派遣元、指揮命令は派遣先
- 請負=仕事の完成を約束。指揮命令は請負会社
- 発注者が請負の作業者に直接指示 → 偽装請負
- 準委任=作業を行う約束。完成の義務はない
- 残業には36協定/支払遅延・減額の禁止は中小受託取引適正化法(取適法・旧下請法)
- PL法=欠陥のある製造物の責任。ソフトウェア単体は対象外
翌日
部長「ヤマダくん、ついでに、わしの肩をもんでくれんか」
ツカサ先輩「部長!それも直接の指示です!」
ヤマダさん「しかも、契約に肩もみは入ってません…」